seventhmoon723’s diary

はてなダイアリー時代のあーかいぶ

真実はいつも一つ

というわけで感想編です。
ネタバレ含むのでご注意を。


前回の「銀翼の奇術師」が若干“スリリングさ”に欠ける感じが見られたので今作がどうなるかというのは焦点ですたね・・・前回と同じく監督は山本泰一郎氏。
・・・TVシリーズ34話より演出、119〜332話監督を担当した経歴の持ち主なんでやっぱその辺がTVよりな感じで“ダイナミックさ”より“小技チック”になってしまうんだろうなぁ・・・前回がそんな感じだったから。
んで今作は、トータルして見たときやっぱり今回もちょっと小技連発って感じかなぁ?
小五郎と犯人の格闘とかは普段無い部分だから見ごたえはあったけどねぇ・・・スピーディに展開していく部分は「息つかせぬ」って感じでいいんだけど、「皆の衆、ご期待通りのアレが(゜∀゜)キマシタヨ」ってシーンが無いんだよねぇ、前作もそうだったけど。本編最後の恒例「危機的状況からの奇跡的脱出劇」がやっぱり弱い・・・どうしてもなんか「ありきたり臭」がしてて「ぉ・・・おぉ・・・おおおおキタ━━(゜∀゜)━( ゜∀)━(  ゜)━(  )━(  )━(゜  )━(∀゜ )━(゜∀゜)━━!!!!!」って感じがしない(ノ∀`)
あとはフルデジタルセルの精度かなぁ・・・「迷宮の十字路」はpgrな部分が見られたけどそのあたりは「銀翼の奇術師」からは進歩したトコロ。前回が空を舞台にしたのに対し、今回は海だからその当たりは原作者青山剛昌氏の確信犯なのかな?・・・まぁ前回と似たり寄ったり的な精度だったけど、まぁその辺の技術は頭文字Dシリーズに勝てる作品はないだろうから、コナンとしてはかなり力入れてるやもやも。
最後に「デュアルサスペンス」スタイルの導入の中、従来の制限時間で多数の事件の点と点を結ぶ作業が入ってくるわけだから、そこでやっぱもう一つ深みがほしいトコロ。スピーディーさに大切な部分が置き去りにされてるなぁってトコが幾つか見受けられたので次回への反省にしていただきたいデスネ。


過去の作品を見たときに・・・

スリリングな点と伏線の張り方は「時計仕掛けの摩天楼」が最強。
これはゲストキャラが1人しかいないから犯人はバレバレで推理の楽しみは皆無だけれども、最後にたどり着いたときに「さっきのアレがこうつながってこうくるのΣ(゜д゜ )カッ!、すげえ!」と思わせる全体のつながりと爆弾犯行な為、随所で爆発するわけだけどその見せ方は「これが1作目でこれ以後はどうすんだろ・・・」ってくらいの出来。

サスペンスな点は「天国へのカウントダウン」が最強。
黒の組織が劇場初登場ということもあって(ある意味でこれも「デュアルサスペンス」w)推理にかなり頭使うけどそのサブタイトルの通りの差し迫る感じはピカイチ。


・・・そういう流れを汲んで行ってる中でメインテーマ「デュアル」、サブテーマの「思いやり」という設定で、後者を描くために費やした分がサスペンスやスリリングを軽くしてしまってる点はもったいないなぁというのが「技術的感想」




本編の感想は技術の部分でも触れた通り「展開の速さに世界が追いついてない」っていうのが感想カナ。仕立ての犯人と真犯人という「デュアル」があるわけだけど、仕立てがなぜ仕立てられたのかという点が説明不足。さらに真犯人もあまりに溶け込みすぎて一般キャラ化してて最後の最後まで決定的(実際は決定的にはまだ欠けるんだけど)な証拠がでてこないから見てる側は推理しきれないというのはちょっとマズイ感じ。推理がおなざりな推理モノなんて不具合ですよ。
新一が昔っから蘭のことを気にかけてたってコトや、蘭は昔っから体力ある娘だったとか原作にない過去エピソードはおいしいね。そのかわり、小学生のエピソードだったから工藤新一役・山口勝平氏の出番は背後霊(緊迫したシーンでコナンとダブるところの通称)のみという過去最高の少なさは勝平ファンのななとしては不満w
次回は劇場版10周年だし、出番多めにしてください、スタッフさん。


まぁ最後は従来サブでなければならないテーマがメインを食ってる今作。
推理モノとしては今作は物足りないのはもう言うまでも無いデスネ。
・・・しかし、犯罪の低年齢化などの昨今の社会問題に対して、老若男女に「思いやりの気持ちの大切さ」というメッセージを送りたい作り手の想いはうまく描けてるのは今作の評価できる点カナ。
蘭の関東大会優勝を心から祝う少年探偵団の気持ちが最後には蘭とコナンをつないで2人を救うトコロや、新一と蘭の絆(幼少時エピソード)などの「人を想う気持ちの強さ・大切さ」が織り成す奇跡は「デュアルサスペンスを番宣しまくってるけど、実際はこれがメインっしょ?」とスタッフを小一時間問い詰めたいくらいに出来てるので、もう見てしまった人もこれから見る人も「人の想い」に注目してこの作品はみてほしいデスネ。